社員インタビュー
革新的な装置コンセプトとグループ会社連携によりAdastraが世界的デザイン賞で三冠獲得!
Y.Y

入社のきっかけ
アカデミックを超えた領域で、世界を変えたい
学生時代に作っていたロボットを生かした仕事に就こうと思い活動していましたが、縁が無く、他業種に目を向けたときに半導体業界が飛び込んできました。私が就活していたころは世の中がIoTの流れに乗っていて、その中心にいたのが半導体でした。自分がそれを作り出す最先端の製造装置に携わることができたら世の中を変えることができるのでは、というスケールの大きな夢を持って入社しました。
入社後の研修を終えると、希望どおり装置設計部門に配属されました。学生時代に小型ロボットを設計していた私は半導体製造装置のスケールの大きさに圧倒されていました。当初は繰返しの各種解析やレビューなど構造を確定させるまでに「ここまで必要なのか?」と疑問を持つことがありましたが、学生時代よりもはるかに高度な構造解析や知識に基づいた業務内容であることを知り「なるほど、市場に販売する製品となるとアカデミックな実験とは別次元の信頼性が求められる領域なんだな」とあらためて実感しました。

業務について
Adastra(アダストラ)の販売促進活動で、大きくステップアップ
入社後、正式に配属が決まってからはハードディスク製造装置のマイナーチェンジを3年くらい担当しました。その後は電子部品製造装置チームで圧電センサに使われる素子を作るための装置開発に携わり、現在は半導体・電子部品製造装置シリーズ「Adastra(アダストラ)」という、幅広い成膜工程に対応し、生産性、環境配慮に特化した新たな装置シリーズの開発を担当しています。
Adastraは2024~2025年に世界的デザイン賞を3つ受賞し、その全てで金賞や最優秀賞を受賞しました(IFデザイン賞、グッドデザイン賞、機械工業デザイン賞)。半導体製造装置はBtoB装置です。装置を扱うのは専門の方々であるため、性能が最重視されユーザビリティや外観にこだわるという発想は多くなかったので、先進的な取り組みに参加できてとても光栄に思っています。AdastraのCGモデルやPR動画はキヤノンのデザイナーと協業して作成しました。意見をすり合わせて納期内にお互い納得いく成果物になるような日程管理、打ち合わせ時のスタンスなど、なかなか通常業務では経験できない仕事をさせていただきました。関係者皆で協議し、お互いに譲り合い、話し合った結果、洗練された革新的な装置が完成しました。デザイン賞受賞を通じて、大勢の方の目に触れ、「何だろうこれ、格好いいね」と興味をもってもらい、キヤノンアネルバという社名を知っていただけたらうれしいです。

大切にしていること
コミュニケーションは人間関係だけでなく良い製品づくりにも貢献する
大切にしていることの一番はコミュニケーションです。装置を作るには市場要求を達成できる装置検討、センサ等による制御、装置の挙動を決めるプログラミングなど沢山の部門が関連します。部門を超えて、雑談も含めていろいろな人と会話をして仲良くなり、自分をさらけ出して相手にも気を許してもらうことで、たくさんの情報を得ることができます。他部門のエンジニアの考えを知ることは、良い製品づくりに必ず跳ね返ってきますので、良いものを作る、効率的に作るという意味でも、コミュニケーションは仕事の基本なのだと思います。
ある研修で『心理的安全性』という言葉を教わりました。安全性が上がると部門の風土、風通しが良くなるというものです。私が心がけている「気を許す」ということに通じるものがあります。ふとした雑談など、自分から率先して声掛けすることで、分からないこと・不安に思っていることを会話の延長線上で相談でき、早期に問題解決できるような明るく心理的安全性が高い部門づくりを目指しています。

学生さんへ伝えたいこと
自分流の技で、ストロングポイントを作ろう
私は学生時代にロボットの研究をしていたので、入社当時は真空技術に関する知識を全く持ち合わせていませんでした。いろいろな研修も役立ちましたが、一番効果的で有効だったのは、人(先輩)からの教えです。
なんでもGoogleが教えてくれる時代ですが、生きた情報は人が持っていると思っています。一つの情報を持っている人がいれば、その人は周辺情報をあと10個は持っているはずです。ですから、技(技術、知識)を盗みたいと思ったら自分が尊敬できる人のそばにいて、たくさん会話して吸収することが近道だと思います。
私は尊敬する人が何人もいますがその方たちとたくさん会話をする=仲良くなるために、たくさん質問して、情報収集をしました。興味を持って前のめりに、楽しく仕事をしていると「面白いやつだな」「見どころがあるぞ」といろいろ教えてくれるのです。結果、自分の情報収集と相手の教えで真空技術、設計としての知識がとても深まりました。ちょっと変わったアプローチですが、これが自分流のスキルアップ方法です。皆さんも自分ならではの「技」を磨くと大きな強みになると思います。
1日のスケジュール
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始業
毎朝朝礼があり、日替わり担当が1分スピーチ。自分の目標は笑いを取る事!
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グループ朝会
週初めは今週のトピックス、日ごとは何をするか、困りごとの共有をして頭の中を整理します
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打ち合わせ
外部設計業者との打ち合わせ。方向性、悩み事、日程感等の情報共有し、案件の進捗について確認します
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昼休み
社食だとタンパク質を取りづらいので、ここ4年間自作お弁当(鶏ムネ+米)を食べています(食事ではなく最早エサです)
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設計レビュー
設計のコンセプト、優位性、安全性などを資料化して関係者に共有します。ここで大きく方針が変わることもあります
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設計検討
2D/3D CADを利用して構造の検討をします。時には構造解析を実施し、お客様が安全に装置を使えるように最大限配慮します
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残業開始
打ち合わせが重なるとまとまった検討時間が取れないので、定時間中が忙しい時は残業して設計を進めます
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業務終了
妻と娘が待つ自宅までは1.5時間かかるので急いで帰宅。最近は娘がお出迎えしてくれるので、玄関で一日の疲れがなくなります(笑)